人色種
この世界の人間。色変術硬化膜から判断される特有色によって人種分けされる。

生存不能になると、色変術硬化膜が溶解し、色水の入った袋が破裂するようにして死亡する。
そのため、死体が残らず、後には絵の具をぶちまけたような跡だけが残る。
有彩色個体
色相を変えると大きく色が変化する個体のこと。
色変術を扱うことができるが、対策をしないと明度、彩度を変化させすぎて白く、または黒くなりすぎてしまい色素不足で死に至るので注意する必要がある。

四大人色種
有彩色個体は、大きく四種に分類される、
黄色個体、赤色個体、緑色個体、青色個体のこと。
一般的な人色種の傾向を記す。






※1 : グレースケールにした際の濃度によって換算される。

黄色個体(オウショクコタイ)
最も多い人色種。
色素量は四大人色種の中では最も薄め(※1)だが

その分白色に近いと信じており、白光信仰が根強い。
色変術は苦手で混合術を主に扱う。
赤色個体(セキショクコタイ)
色素量こそ多めだが色変術は不得手気味。個体差はある。
戦闘人色種とも呼ばれ、攻撃性や向上心が強めで地位にも貪欲。
そのため、高位の階級には赤色個体であることが多い。
緑色個体(リョクショクコタイ)
色素量は薄めだが優秀な色変術者が多い。
模様描きや医療色変術など、
高度な知識と特異な技術を必要とする支援色変術を得意とする。
青色個体(セイショクコタイ)
四大人色種の中では最も少ないが、無彩色個体よりは多い人色種。
色素量が最も多く、特に高出力の色変術を得意とする。
自然の中で経口摂食できるものが少なく、
色変術を用いて食物の色を変える必要があるため、
必然的に色変術を扱うようになる。
無彩色個体
彩度が低い、または明度が低く、色相を変えても大きく色が変化しない個体のこと。
ある程度彩度をもっても上記の定義が当てはまれば無彩色個体に分類される。完全な無彩色個体はいないとされる。
黒色個体(コクショクコタイ)
迫害に合い、現存する個体数が減少している人色種。
濃い人色種同士の配偶で誕生したり、
有彩色個体であったが色素の変化により黒くなり、なることもある変異人色種。
色変術を全く扱うことができない。
白色個体(ハクショクコタイ)
信仰対象になるほど稀有な人色種。
色変術を扱うことができないが、色変術の影響を受けることもなくなる。
完全な白色個体はあらゆる色変術を無効化し、反射させるとも言われる。
黒白補援個体(コクハクホエンコタイ)
主に黒色個体をベースとした、色変術者のHLS二属性を補助する役目のために人為操作して誕生した個体。
成長促進操作もされるため、多くは人格や知能に障害がみられる。
被補援者(ヒホエンシャ)である色変術者などは黒白補援個体の育成と定期健診の義務が与えられる。

色変術(クロリーアトリビュート)
カラーサークルとそれに内包される四角と三本線で示される、色を変える術。
主に人為的に行われるものを指し、
自然現象としておこるものは生体色変術や自然色変術と呼ばれる。
カラーコードやそれに付随する数値や、
それの算出の変換指示のある模様を触媒にして発動する。

基本原則として
「変化を受ける対象と同じ量の変化を、変化をさせる対象は受ける」という
『等価色交換法則』が存在し、
これを軽減させるために色変術者は身体に模様を刻む。

そのため、内包する色素量により色変術は限定されていたが、
現在では模様描きの技術が著しく発展しているため
色素量が少なくても知識と技術が備わった
有彩色個体であれば誰でも使うことができる。

一方でその知識量は膨大であり、数値算出や色空間の把握が必要となり、
容易に使うには、模様描きと物づくりの職人の高い技術が必要となる。
混合術(クロリーサブトラクティブ)
四つの円が混ざり合って黒くなる四円色で示される、色を変える術。
色変術同様、人為的に行われるものを示す。

膜のない色素をもつ物質を混ぜ合わせ、別の色に変化させる。
誰にでも利用可能だが、混ぜ合わせることで黒に近づいていき、
最終的には利用不可能になってしまう。
黒になったものは色変術でも変えるのが難しく、
廃棄するしかなくなってしまう。

物質的でないものを用いれば
混合術は黒ではなく白になると言われるが、
その技術は確立していない。

黒地は、混合術全盛期の旧時代の遺産ではないかという話もある。
生体色
固有色+特有色。
その個体の保有する色素のすべて。個体色とも示される。
固有色
生体として維持するために必要な基本的な色素、またはその量。
四大色を中心に数々の色を保有する。

特有色
個体別に異なる、所謂個体差。
個体によって色が異なり、主にその色を中心とした類似色で占められる。
模様
色変術を行うために必要な変換機。
主に色変術者が扱う人為的に描かれるものを示し、
生体が生来もつ生体模様や、術者不要の機械化された工業模様など
具体的に分類できる。しかし、ほとんどが総称して模様と呼ばれる。

模様描きと呼ばれる、両手に特定の模様を刻んだ特異な色変術者が
目的とする色素へのコードや数値をデザインした模様を描くことで
色変術に有効な触媒となる。

一度描かれた模様は変化せず、発動する術の規模にもよるが、
時間を開ければ何度でも繰り返して使うことができる。
しかし、傷つけたり、その模様の形が崩れると機能しなくなる。

色変術者は物に描かれた模様や、身体に刻んだ模様で色変術を発動する。
一方で模様描きが存在するならば、地面に描かれた一時的なものでも、
離れた人物の持つ特定の模様を繋いで巨大な模様を作り、
色変術を発動させることも可能。

模様には色変術の発動の他にも、
特定の色素過剰症になった際には
他の色素に変換されるよう身体に模様を描いたり、
微細な粒子に模様を描きこんで生体色変術を
活性化させるのを手助けさせたりすることもできる。
色変術硬化膜
皮膚の下に存在するという強固な色素の膜で、色変術が活発に行われている場所。
特有色の色素が集まり、色変術硬化膜の色を判別して人色種が決まる。

色素の貯蔵場でもあり、経口摂食により余った色素はそこに貯められる。
色変術硬化膜は全身を包むように存在するが、目や腸など、色素を得る所は薄く、
腹部などでは厚くなる。

非常に硬く、類似色のナイフでは切ることはできない。
一方で、補色など、大きく異なる色のナイフなら容易に切ることができる。
これにより、類似色の同色個体同士では殺すことができない。

別色種の武器を使えば同色個体同士でも殺すことができるが、
色によって重さの感じ方が異なるので、別色種の武器を持ち上げられず、不利になる。
自殺を防ぐ役割を持つとも考えられている。

そのため、同色個体同士での戦い方の基本は、
色変術者による力場色変術で一時的に味方の武器に異なる色素を纏った状態にしたり、
相手の色変術硬化膜を擬似的に変化させたりと、多様化している。
それを打ち消すのも、また色変術者の役目となる。
無限光(ムゲンコウ)
天から注ぐ、所謂「光」。
一般には完全な白という認識で、信仰の対象にもなっている。
実際には色はない「無色」。

色を分解する能力をもち、直接浴びれば致死だが、
黒を様々な色に分けるため、利用可能な色素を得るためには必要。

現段階では自然の中でしか現れず、人為的に発動させることはできないが、
現れる前兆の輝く色が存在し、
それを可視することができる者だけが無限光の予兆を知ることができる。
光の子(フォトン)
アズライトが無限光の下で見つけた、人型の不可視物質。
本来あるべき色素や色変術硬化膜もなく、「色素の抜け殻」と呼べるようなものであった。
白色薬剤である程度までは見えるようになるが、
それでも色素は留まらず、すぐに色を失ってしまう。
臓器などが透明ながらにも存在したため、「生体由来の透明物質」と断定し、
アズライトは「光の子」を意味するフォトンの名称を付ける。

しかし、経過観察時にあろうことかフォトンは自律的に動き出す。
本来、生存できるはずのないフォトンがなぜ生きられるのか?
アズライトの研究はまだ続く。

白光宗教(ハッコウシュウキョウ)
白光信仰の宗教。
白を聖なる色と盲信しており、無限光の色を白として崇めている。
一般的に無限光が白色と誤認されているのは白光宗教による布教のためである。

白色個体を神聖な存在として保護する一方で、
黒色個体を醜く汚いものとして排他する。
白色個体を御神体とする儀式も存在し、いずれ神の宿る器としている。
きようりゆう シリーズ
太古の昔に存在し、現在でも黒地の先にいるのではないかと言われる伝説の生物。
目撃者の証言をもとに研究者がイメージ図を描いたのをもとに
更に酔っ払いが悪ふざけで殴り描いたのをもとに
デザイナーが悪乗りで作りだした奇跡のキャラクター。

一部の界隈で人気を得ている。
ぬいぐるみやキーホルダーとして商品化されているがバランスが悪く、立つことはない。
毛の数や指の数は気分次第で変わる。仕方ない。伝説上の生物だから。
緑色の他に赤や黄色がおり、青色は限定的でレア。

コルヒクム隊ではアズライトやゼノタイムが所有する。



黄色過剰症
アズライト及びスギライトが罹患している病。
本来不変値である固有色すらにも割り入って黄色の量が多くなる、一部の青色個体特有の色素異常。

先天的であり、特に五色型色覚の者に現れやすい。
症状としては、長期に渡る全身の疼痛と疲れやすさ、吐き気、頭痛と視界がやけに黄色く見える。
悪化すると皮膚に黄色いしみが広がり、目や髪も黄色くなる。
この『黄色化』は自然回復することもあるが、対処せず放置すると色を取り込む目や消化器に異常をきたし、使い物にならなくすることもある。
慢性症状になることもあり、本来の皮膚や髪色とは異なる黄色系統の色になることも。

初めの症状が出るまである程度年数を要するが、シェンナ国では赤子の時からその要素を持つかの検査を行うことができる。
一方、青色個体を多く有する筈のバヂターではその検査すらも難しい。
重度軽度の差はあれど、ほとんどが20歳までに命を落とし、長く生きても35歳程度が限度。

根本的な治療法は確立されておらず、症状を軽減させる手段しかないのが一般的。

スギライトは軽度患者であるため、ある程度の模様と薬で事なきを得ているが、アズライト程の重症患者になると薬で症状を抑えたとしても少年期に精神すらも蝕む。










エーテル体説
『色素を内包する生命体全ては透明なチューブに色水が入っているようなもので、
 この透明なチューブと色水に分けることができる。
 この容器となる透明なチューブを「エーテル体」、
 色水を「生体色」と仮称する。』
身体エーテル体説
『エーテル体は身体の基礎となる“形”を形成し、色を受け入れる性質を持つ。』




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