「私は一体何モノなのですか?」
彼はずっとずっと昔、ふと目を開いた
言葉も文字も人との話し方も
立つことも歩くこともどこで覚えたかは分からないが知っていた
ただ、わからないことは「自分という存在」
生活を共にして生きた人はどんどん老いて死んでいった
だが彼はその外見を変えることはない
やがて、何故かは分からないが彼の元に黄金が集まることから
彼は「金のなる木」と呼ばれた
それは「者」ではなく「物」という意味も示していた